Vector - ベクトルの作成
使い方
Vector[o](d, init, ro, sym, sh, st, dt, f, a, o)
パラメータ
[o] - (オプション) [row] もしくは [column]; ベクトルの向きを指定
n - (オプション) 非負の整数もしくは 1 から始まる整数の範囲; ベクトルの要素の数
init - (オプション) Maple のプロシージャ, table, array, Array, Vector, 等式の集合, list もしくは代数式; ベクトルの初期値
ro - (オプション) BooleanOpt(readonly); ベクトルの入力項目を変更できるか指定
sym - (オプション) symbol=name; ベクトルの入力に使用する記号名を指定
sh - (オプション) shape=name もしくは shape=list; 一つ以上の組み込みもしくはユーザ定義の indexing functions を指定; ベクトルの記憶域の割り当て
st - (オプション) storage=name, name は許可された storage mode; ベクトルの入力に必要な記憶域
dt - (オプション) datatype=name, name は complex[8] もしくは integer[n] (n=1,2,4,8) の Maple の型; ベクトルに保存されるデータの型
f - (オプション) fill=value, value は dt パラメータで指定されるタイプ; 別の方法で設定されなかった位置でのベクトルの入力を指定
a - (オプション) attributes=list, list は許可された attributes を指定; 追加するベクトルの数学性質を指定
o - (オプション) orientation=name; name は row または column; ベクトルの向きを指定
|
説明
|
|
•
|
全てのパラメータはオプションですが、ベクトルの数学的な形状や定義に必要なストレージ等の十分な情報をパラメータに指定する必要があります。パラメータに何も指定しない場合は、サイズが 0 のベクトルを返します。(0 次元ベクトル空間の要素)
|
•
|
Vector(n) 関数はパラメータ f (デフォルトは 0) で埋め尽くした n 要素の列ベクトルを構成します。要素の数が指定されていない場合はデフォルトの 0 になります。また、方向オプションが省略されるか Vector[column](n) が使用されると、列ベクトルを返します。
|
•
|
Vector(init) 関数はパラメータ init で決定される形状、入力でベクトルを構成します。
|
|
Vector(n,init) 関数はパラメータ init (init によって行列の入力が設定されない場合は f)で定義された初期入力の n 要素のベクトルを構成します。
パラメータ init には以下のフォームを利用できます。(init に代数式, テーブルもしくは集合を使用する場合は必ず要素の数 n を提供する必要があります。)
|
プロシージャ
|
プロシージャは正の整数の引数 (ベクトルのインデックス) を受け付け、ベクトルの対応する位置に値を返します。
|
代数式
|
代数式は関数 (もしくはプロシージャ) として正の整数 (ベクトルのインデックス) を引数として受け付け、ベクトルの対応する位置に値を返します。
|
テーブル
|
テーブルは j が正の整数 (ベクトルのインデックス) の場合、[j] で参照されます。(他の形式のインデックスが含まれる場合、それは無視されます。)
|
等式の集合
|
式の集合には j が正の整数 (ベクトルのインデックス) で指定される j = <value> のフォームとなる必要があります。作成するベクトルに存在しない位置のインデックスを指定した場合はエラーが返されます。
|
array もしくは Array
|
array は 1 次元の table ベースの array もしくは rtable ベースの Array で指定します。インデックスは 1 ベースで移動します。作成する行列に存在しない位置のインデックスを指定した場合はエラーが返されます。
|
Vector
|
ベクトル構造には他のベクトルを入力の初期値として受け入れることができます。結果として出力されるベクトルに存在しないベクトルを指定した場合はエラーが返されます。入力するベクトルのサイズは結果として出力されるベクトルと同じかもしくはそれ以下である必要があります。
|
list
|
L がリストの場合、まずリストに入力されたものがリストかどうかをスキャンします。どのようなサブリストも展開され入力の式列に置き換えられます。この動作は再帰的ではありません (展開は 1 段階でのみ実行されます) 。展開が完了すると、(可能な限り変換した) リストの要素はベクトルの対応する位置へ順番に収められます。結果として出力されるベクトル以上のサイズの入力の指定を行った場合はエラーが返されます。また、2 次元のリストの場合もエラーが返されます (例えば、行ベクトルと列ベクトルの両方を含む場合や、行列や 2-D 配列の場合) 。
|
•
|
ro オプションが readonly もしくは readonly=true として指定された場合、ベクトルは読み込み専用となります。(ベクトルを作成後、入力されている値を変更できません。)
|
•
|
初期化子が提供されなければ、symbol=name で指定された sym オプションがベクトルの入力に使用するシンボル名として提供されます。初期化子が与えられた場合このパラメータは無視されます。
|
•
|
パラメータには一回以上含まれる場合があります。もし 1 つ以上の整数が含まれた場合は、1 つ目は n 、2 つ目は init になります (代数式の場合)。その他、パラメータが繰り返し指定された場合は最後のものが適用されます。
|
•
|
パラメータには様々な順で与えることができます。(パラメータの 1 つ目の整数は n として解釈することは除きます)
|
•
|
呼び出し手順に残るパラメータは、ベクトルの計算における最大限度の効率を達成するよう提供されます。
|
shape=name もしくは shape=list
|
1 つ以上の組み込みもしくはユーザ定義によるインデックス関数を指定することで非ゼロ構造のベクトルを定義します。複数のインデックス関数が含まれる場合はリストとして入力される必要がありあます。shape のデフォルトは [] (なし) です。ベクトルのインデックス関数は次の通りです:
|
constant scalar unit zero
storage=name
|
ベクトルの入力が物理メモリにどう割り当てられるかを指定します。デフォルトのストレージは長方形です。
詳細は storage をご参照ください。
|
datatype=name
|
ベクトルに記録されるデータのタイプを指定します。integer[n], float[n], complex[n], もしくは Maple type 指定から一つを指定します。
|
|
integer[n] の n には 1, 2, 4, 8 の整数毎のバイトを指定します。float[n] または complex[n] の n には 8 だけしか許可されません。デフォルトのデータタイプは Maple の一般的な anything になります。
|
fill=value
|
ベクトルの要素の未指定の値を指定します。この値は初期化値と同じ評価必要条件を満たす必要があります。デフォルトの値は 0 です。
|
|
注意: fill の値はインデックス関数に関らず未指定の行列の要素にのみ値を埋め尽くします。スパースベクトルでは fill の値は無視されます。
|
attributes=list
|
ベクトルが作成される属性を指定します。このオプションはベクトルに数学的な性質をつけるのに使用できます。ベクトルの属性には setattribute に有効な引数を何でも指定できます。
|
orientation=name
|
結果として返されるベクトルが行ベクトルか列ベクトルかを指定します。方向がインデックス (例えば Vector[row]) とパラメータで指定された場合、インデックスの方向が優先されます。例えば、Vector[row](.., orientation=column, ...) と実行された場合、結果として返されるベクトルは行ベクトルです。
|
•
|
expr が Vector[row] もしくは Vector[column] 表示の場合、nops(expr) は 3 を返します。
|
|
また、op(o, expr) は o の値によって以下を返します。
|
o 出力
0 Vector[row] もしくは Vector[column]
1 ベクトルのサイズを整数で出力
2 ベクトルの要素を (インデックス)=値 の形式の集合で出力
3 行列のオプションを option=value の形式の式列で出力
•
|
次元が 1..25 (コマンドラインの場合) もしくは 1..10 (ワークシートの場合) までのベクトルは Maple のウィンドウに表示されます。その他の大きなベクトルはプレースホルダーを使用して表示されます。プレースフォルダーの表示に関する情報は structuredview をご参照ください。
|
|
Maple の初期ファイル (maple を参照) に interface(rtablesize=infinity) コマンドを含めることで環境設定を変更でき、Maple は全ての rtable ルーチンを表示します。
|
|
|
例
|
|
| (2.1) |
| (2.2) |
| (2.3) |
>
|
f:= (j) -> x^(j-1):
Vector(3,f);
|
| (2.4) |
>
|
s:={1=0,2=1}:
Vector(2,s);
|
| (2.5) |
| (2.6) |
読み込み専用のベクトルに書き込もうとするとエラーが返されます。
>
|
A:=Vector([1,2,3],readonly=true);
|
| (2.7) |
Error, cannot assign to a read-only Vector
| |
|
|
参照
|
|
array, Array, convert[Matrix], convert[Vector], LinearAlgebra,General,MVassignment, LinearAlgebra,General,MVshortcut, list, Matrix, plots[arrow], procedure, rtable, set, storage, table, type[algebraic], type[BooleanOpt], VectorCalculus[Vector], VectorOptions
|
|