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Maple 11 における互換性
下記は Maple 10 から Maple 11 にアップグレードするユーザにとって影響がある互換性に関する説明です。
グレブナ基底
Basis と Solve コマンド
sugar strategy は実装からはずされ、 _EnvGroebnerPairSelectionStrategy の設定は無効になります。
グレブナ基底は常に単項式の変数に関してまとめられます。
Groebner[Solve] コマンドのアルゴリズムは変更され、異なる(しかし等価な)解集合を返します。
NormalSet と MultiplicationMatrix コマンド
tdeg の順序に対して、基底単項式(または標準単項式)の集合は、前もって grlex の順序で結果に対して単項式の順序で並び替えられます。その乗積表の各列は同様にその順序を変更したものとなります。これは行列の固有値問題の計算には影響しません。
NormalSet コマンドで、多項式が tdeg を前提としたグレブナ基底を求める(ドキュメントにも掲載されていなかった) 1 つの引数での呼び出しは無効になりました。この呼出しはエラーを返します。
以前はグレブナ基底で返されたものが入力として与えられましたが、 RememberBasis は同様の場合に NULL を返します。
Reduce と NormalForm コマンド
r における剰余の中身が Reduce で消去され、かつスケール因子 s の分母に取り入られるようになります。4 引数での Reduce(f, G, tord, 's') は、 Reduce(f, G, tord) と同じ(原始)剰余を返します。
基底単項式は常に単項式順序の変数に関してまとめられます。
SPolynomial コマンドで返される結果は、単項式順序で指定された変数に関してまとめられます。
MonomialOrder コマンドで返されるデータ構造が変更になりました。
tdeg() のような空順序と prod の順序は、 ShortMonomialOrder の型となり、これらはすべての Groebner ルーチンで正しい入力となります。空順序は単なる係数体、すなわち変数を持たない多項式環を表現しています。
線形差分(再帰)方程式
IsDesingularizable コマンドの呼出し手順が変更されました。
AnalyticyConditions および ValuesAtPoint コマンドによる各条件式は実数に変わって複素数に関して正しいものとなります。
プロットのオプション
等高線を描画する plots パッケージの関数に対する filled オプションは、 通常の 2-D および 3-D に対する filled オプションと区別するために、 filledregions オプションに変更されました。この変更は、 plot/options および plot3d/options のヘルプページにも記載されています。なお、等高線プロットのコマンドで、現状では filled オプション名を指定することは可能です。塗り潰された曲面を得る場合は plot3d で style=contour を使用してください。
plots パッケージの実装の変更
plots パッケージは、テーブルベースのパッケージからモジュールベースのパッケージへと変換されました。モジュールベースのパッケージについての詳細は、 module/package を参照してください。
引数の処理
Maple 10 では、プロシージャに対して Maple 10 で新しく導入されたキーワード・パラメータの処理で、最初にマッチした位置の引数に依存するという問題がありました。Maple ユーザからのフィードバックで、この処理が正しく機能しない可能性があることが指摘されたため、Maple 11 ではキーワード・パラメータを最初に評価処理します。
オプションやキーワード・パラメータを用いたプロシージャで uneval または evaln などのパラメータ修飾子を用いると期待しない結果が返されることがありました。Maple 11 ではこれらの修飾子の評価が改善され、期待通りの振舞いを行います。ユーザ定義のプロシージャで面倒な組合せを要するようなものは、若干コードの改変をする必要があるかもしれません。
参照
Maple 11 新機能, ワークシート互換性の問題
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