limit - 極限の計算
Limit - limit の不活性形
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使い方
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limit(f, x=a)
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Limit(f, x=a)
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limit(f, x=a, dir)
Limit(f, x=a, dir)
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パラメータ
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f
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代数式
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x
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名前
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a
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代数式。極限点、infinity または -infinity も可能。
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dir
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-
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(オプション) 記号。left、right、real、または complex から指定される方向。
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説明
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limit(f, x=a, dir) 関数は、x が a に近づく際の f の極限値を計算します。
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コマンド limit は、1-D または 2-D いずれかの使い方で入力できます。
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dir が指定されない場合、limit は双方向の実数の極限となります。ただし極限点が、左から infinity の方向に極限を求める infinity、または右から -infinity の方向に極限を求める -infinity の場合を除きます。方向性をともなう極限の詳細は、limit/dir を参照してください。
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limit からの出力は、範囲 (有界の結果を意味する) または代数式で、無限大となる場合もあります。戻り値の型については、limit/return を参照してください。
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多次元空間の極限を計算するには、点の集合を 2 番目の引数として指定します。詳細は、limit/multi を参照してください。
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ほとんどの極限は、級数を計算することで決定されます。グローバルな変数 Order の値を増すことにより、大きな桁落ちにともなう問題に対する limit の解法性能を高めることができます。
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注: Limit は、式を評価せず、あるいは式の極限の有無をチェックしないので、誤った変換の原因となる場合があります。このため、limit を使う方が信頼性が高まります。これらについては、「例」の最後の 2 例を参照してください。
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Maple によって極限の閉形式が検出されない場合は、関数の使い方が返されます。
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大文字で始まる関数名 Limit は、不活性な limit 関数で、未評価の式を返します。これはグレーで表示されるので、返された limit 呼び出しシーケンスと混同せずに、容易に判別できます。
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例
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不活性な Limit 関数は、未評価の式を返します。
| (1) |
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Limit(ln(x^2),x = -infinity);
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| (2) |
| (3) |
>
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limit(x^2, x=infinity);
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| (4) |
| (5) |
>
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limit(exp(x), x=infinity);
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| (6) |
>
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limit(exp(x), x=-infinity);
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| (7) |
>
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limit(exp(x^2)*(1-erf(x)), x=infinity);
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| (8) |
>
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limit(1/x, x=infinity);
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| (9) |
real および complex の引数を使用するには、limit コマンドを必ず 1-D Math 表記法で記述します。
| (10) |
>
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limit(1/x, x=0,complex);
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| (11) |
方向性をともなう極限が可能です。詳細は、limit/dir を参照してください。
| (12) |
| (13) |
>
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g:=piecewise(x<3,x^2-6,3<=x,2*x-1);
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| (14) |
| (15) |
| (16) |
| (17) |
不活性な Limit 関数を使うと、エラーの原因になる場合があります。
>
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combine(Limit(1/x,x=0)*Limit(x,x=0));
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| (18) |
>
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combine(limit(1/x,x=0)*limit(x,x=0));
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| (19) |
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参考文献
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K. O. Geddes および G. H. Gonnet 共著、「A New Algorithm for Computing Symbolic Limits Using Hierarchical Series」(『Proceedings of ISSAC '88』の 490~495 ページ部分。Patrizia M. Gianni 編、Berlin: Springer-Verlag、1988)
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