DiscreteTransforms パッケージでサポートされているウェーブレット族
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注意:
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すべてのウェーブレットはノルム () が 1 になるように正規化されています。そのため、ここで示されている値は参考文献などで示されている値と (通常は または の倍数で) 異なる場合があります。
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直交ウェーブレット族
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Daubechies
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Daubechies ウェーブレットは Ingrid Daubechies が生成した積率消滅点 (vanishing moments) を持つ直交ウェーブレット族です。
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WaveletCoefficients(Daubechies,n) の n には、任意の正偶数を指定できます。
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サイズ n の Daubechies ウェーブレットには 個の積率消滅点があります。
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WaveletCoefficients で算出される Daubechies Coefficients の値は、 をかけると、Ingrid Daubechies 著の Ten Lectures on Wavelets に示されている値と一致します。
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Symlet
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Symlet は Daubechies の最小非対称ウェーブレット (least asymmetric wavelet) とも呼ばれ、その構造は Daubechies ウェーブレットとよく似ています。
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Daubechies ウェーブレットの位相が最大であるのに対して、Symlet の位相は最小です。
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WaveletCoefficients(Symlet,n) の n には任意の正偶数を指定できます。
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サイズ n の Symlet ウェーブレットには 個の積率消滅点があります。
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WaveletCoefficients で算出される値は、正規化すると、Ingrid Daubechies 著の Ten Lectures on Wavelets に示されている値と一致します。
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Coiflet
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Coiflet は Ingrid Daubechies が Daubechies ウェーブレットより良い対称性を持つように設計した直交ウェーブレット族です。
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注意: 現在サポートされている Coiflets は 1-7 のみです。
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WaveletCoefficients(Coiflet,n) の n には 1, 2, 3, 4, 5, 6, または 7 を指定できます。
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Coiflet の生成には Ingrid Daubechies 著の Orthonormal Bases of Compactly Supported Wavelets II で示されているアルゴリズムの変形が使用されます。
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生成される値は、正規化すると、Ingrid Daubechies 著の Ten Lectures on Wavelets に示されている値と一致します。
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Battle-Lemarie
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Battle-Lemarie ウェーブレットは直交スプラインウェーブレットとも呼ばれ、区分多項式空間の多重解像度解析の連続微分可能関数から生成されるウェーブレット族です。他の多くのウェーブレットと違い、Battle-Lemarie ウェーブレットは周波数領域において閉じた表示式で表されます。
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Battle-Lemarie ウェーブレットでは、guarddigits=5 がデフォルトで使用されます。これにより、ハードウェア浮動小数点を使用した積分を可能になるため、WaveletCoefficients の処理が非常に高速化されます。
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警告: Digits=10 と設定し、WaveletCoefficients で Battle-Lemarie ウェーブレットを計算しても guarddigits のデフォルトが低く設定されているとハードウェア浮動小数点の精度をフルに活用した結果は得られません。
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Battle-Lemarie ウェーブレットはコンパクトサポートを持っていません。すなわち、関連のフィルタ帯域が有限ではありません。
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WaveletCoefficients(BattleLemarie, 4, 5) を指定すると、11 個の係数を持つ 4 次の Battle-Lemarie ウェーブレットが生成されます。一般的に、WaveletCoefficients(BattleLemarie, n, m) は 個の係数を持つ n 次の Battle-Lemarie ウェーブレットを生成します。
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Battle-Lemarie ウェーブレットの係数は急速にゼロへと収束します。そのため、WaveletCoefficients(BattleLemarie,n,m) で算出されるフィルタは完全に直交ではありませんが、通常はほぼ直交と見なせます。
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m を大きくするほど生成されるウェーブレットの直交性が高くなります。
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WaveletCoefficients(BattleLemarie, n, m) を計算すると、WaveletCoefficients(BattleLemarie, n, m+1) の 個の中間係数を得ることができます。
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WaveletCoefficients(BattleLemarie,n,m) では数値積分が使用されるため、Digits を大きくすると処理能力がかなり影響されます。
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双直交ウェーブレット
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CDF
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9/7 タップの Cohen-Daubechies-Feauveau ウェーブレット、または CDF ウェーブレットは JPEG 2000 の画像圧縮規格に使用されています。
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WaveletCoefficients(CDF) は CDF ウェーブレットを返します。オフセットを考慮する目的で、実際には長さ 10 のベクトルを 4 つ返します。
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双直交スプライン
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双直交スプラインウェーブレットは 1 つの双直交ウェーブレット族です。
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WaveletCoefficients(BiorthogonalSpline, b, c) の b および c には、その和が偶数になる任意の正整数を指定できます。
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b および c はそれぞれ、分割フィルタおよび合成フィルタの積率消滅点の数を表します。
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参考文献
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Daubechies, Ingrid. "Orthonormal Bases of Compactly Supported Wavelets II: Variations on a Theme." SIAM J MATH ANAL. (March 1993).
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Daubechies, Ingrid. "Ten Lectures on Wavelets." SIAM. 1992.
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